クリスマスが近づく中、欧州各国が新型コロナウイルス感染拡大への対応に苦慮している。イタリア政府は18日、24日から1月6日までの大半の日を対象に、すべての州でロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。当初は12月25、26日と1月1日に市町村をまたぐ移動を禁止する計画だったが、感染拡大に歯止めがかからないため、より厳しい措置が必要と判断した。
発表によると、12月28~30日と1月4日を除き、市町村間の移動が禁止され、生活必需品を扱う商店以外は閉鎖される。飲食店は店内営業が禁止され、持ち帰りと宅配のみ認められる。
コンテ首相は「これ以上の感染拡大を防ぐための措置だ。規制の強化は苦渋の決断だが、1月に活動を再開するために必要と判断した」と強調。深刻な打撃を受ける飲食店などに対する6億4,500万ユーロ(約815億円)の支援策を打ち出した。
イタリアではこのところ新型コロナによる1日の死者が600人を超える日が続いており、1カ月の死者数は2万人を超えた。20日までの累計は6万8,799人に上り、欧州で最多となっている。
一方、スウェーデン政府は18日、新型コロナの感染拡大を受けた規制強化策として、混雑時の公共交通機関でのマスク着用を推奨すると発表した。同国がマスク着用を推奨するのは初めて。1月24日まで図書館や屋内プール、博物館などを閉鎖するほか、飲食店の人数制限を厳格化する方針も決めた。
スウェーデンはこれまで外出制限や店舗の営業停止などの厳しい措置を回避し、緩やかな規制にとどめる独自路線を貫いてきた。しかし、17日にはカール16世グスタフ国王が自国のコロナ対策について「失敗したと思う」と述べ、波紋を読んでいた。
記者会見したロベーン首相は「感染の広がりが深刻さを増している。今年のクリスマスは(例年と)違うものにする必要がある」と述べ、電車内などでのマスク着用を呼びかけた。