トルコ政府は14日、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認し、大規模接種を開始した。当初は医療関係者と感染すると重篤化する恐れがある人を優先して接種する。
トルコは20年12月、シノバックからワクチン300万回分の供給を受けた。3月末までに全発注量(5,000万回分)の納入が完了する予定。米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチン450万回分の調達(3,000万回分の追加オプション含む)でも合意しているとされるが、エルドアン大統領は11日、ビオンテックとは交渉中だと述べた。
シノバックのワクチンはトルコのほかブラジルとインドネシアでも臨床試験が行われているが、効果については不確実性が残る。ブラジルでは13日、有効率が当初発表された78%より大幅に低い50.4%にとどまるとする試験結果が出された。トルコとインドネシアはそれぞれ91%と65%だが、臨床試験の規模が小さすぎるとの指摘がある。世界保健機関(WHO)はワクチンの有効率について50%以上の基準を定めている。
トルコは人口8,300万人。新型コロナの感染者数は現時点で累計234万人に上り、これまで2万3,000人が死亡している。政府は12月1日から夜間や週末の外出を禁止している。