欧州委員会は1月28日、EUの国家補助に関するルールを一時的に緩和する措置を延長すると発表した。同措置は新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた企業を支えるため2020年3月に決まったもので、21年6月30日が期限となっていたが、コロナ禍の長期化に伴い6カ月延長し、12月31日まで継続する。
EUの国家補助規定では、企業に対する補助金交付など公的支援を厳しく制限している。しかし、コロナ禍で企業が厳しい状況に直面していることから、欧州委は3月にルールの緩和を決定。各国政府の判断で補助金交付、公的融資、減税などの支援措置を実施できるようにした。
同措置は当初、2020年12月31日が期限となっていたが、10月に20年12月31日まで延長することが決まった。今回の決定で、さらに6カ月延長される。
欧州委は適用期間の延長と同時に、支援措置の拡充も決定した。1社当たりの補助金の上限を大幅に引き上げる。コロナ禍の影響で30%以上の減収となった事業者の固定費に対する助成の上限額を従来の300万ユーロから1,000万ユーロに増やすことも決めた。また、すでに各国が実施した融資など返済が必要となる資金繰り支援について、返済が不要な補助金に切り替えることを認める制度を設けた。