ロシア政府は1月26日、3月1日から小麦の輸出税を引き上げることを正式決定した。輸出を抑えることで、新型コロナウイルス感染拡大に伴う食品価格上昇にブレーキをかけるのが狙い。効果が薄ければ、さらなる増税も検討する。
政府は12月、穀物価格の安定に向けた措置の一環として、2月15日以降の小麦輸出に1トン当たり25ユーロ課税する方針を決めた。今回の閣議決定で、3月1日から税額が2倍の50ユーロに拡大する。大麦、トウモロコシについては、3月15日から6月30日まで1トン当たりそれぞれ10ユーロ、25ユーロを課税する。
ロシア政府は食品値上がり抑止策として、2月15日から6月末までの穀物輸出を1,750万トンに制限することを決めている。 ヴラディミール・イリチョフ副経済大臣によると、政府は今後も必要と判断すれば税額を「調整」する方針。また、7月からは課税方式を従量制から従価制に変更する。
ロシアは世界でも有数の小麦輸出国のひとつ。このため、ロシアの増税発表を受けて、世界の小麦相場が急伸した。