韓国のサムスン電子は1月27日、ドイツテレコムと協力してチェコで実施した第5世代移動通信システム(5G)のスタンドアローン(SA)構成(5G SA)の実証試験に成功したと発表した。同試験は利用者ごとに異なる用途やニーズに合わせた複数の通信をエンドツーエンド(E2E)で遅滞なく行うことを目的としたもの。5Gの本領を発揮するとされるSA構成を採用することにより、ドイツテレコムなどの移動通信事業者は新しいサービスの提供やビジネスモデルの構築に弾みを付けられる。
同試験では基礎となる無線通信技術に、複数のアンテナを使ってデータの送受信を行う「マイモ(MIMO)」をより強力にした「マッシブ・マイモ(MassiveMIMO)」を導入。これを複数端末にデータを同時送信することで通信速度の低下を防ぐ「マルチユーザー・マイモ(MU-MIMO)」技術に使うことで、E2Eにおける高い通信品質と高速通信を実現した。サムスンによると、周波数利用効率はLTEの3倍、通信速度(スループット)は従来のシングルユーザー・マイモの約2.5倍になった。
同実証試験はピルゼン市で行われた。