キュアバックとグラクソ、次世代ワクチンを共同開発

独バイオ医薬品企業キュアバックは3日、新型コロナウイルス用の次世代ワクチンを英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同開発すると発表した。すでに承認され、接種が開始された新型コロナワクチンは変異したウイルスに対する有効性が低い恐れがあることから、両社は様々な変異ウイルスに有効であるとともに、今後新たに発生する変異ウイルスにも対応できるワクチンを開発する。2022年の実用化を目指す。

新型コロナウイルスは頻繁に変異を起こす「RNAウイルス」というタイプのウイルスで、すでに多くの変異株が確認されている。うち南アフリカ、ブラジル型については、体内で作られた抗体の攻撃をかわすことが報告されている。英保健当局は1日、同国の変異種「B1.1.7」から生まれた新たな変異株の存在を明らかにするとともに、これが南ア、ブラジル型と同様にワクチンの効果を弱めるとの見方を示した。

キュアバックとGSKはこうした事態を踏まえ、キュアバックが開発中のコロナワクチン(CVnCOV)をベースとした次世代ワクチンを開発する。具体的には、伝令RNA(mRNA)を最適化し十分な免疫反応が起こるようにする。また、ワクチンを製造しやすくするとともに、常温の2~8度で安定保存できるようにする。新型コロナワクチン未接種者のほか、ワクチンの効果が弱まった人に接種することを想定している。

今回の協業でGSKは最大1億5,000万ユーロを拠出する。まず頭金として7,500万ユーロを支払い、目標の達成度に応じて最大7,500万ユーロを上乗せする。同社は共同開発するワクチンをドイツ、オーストラリア、スイス以外の国で販売する。

GSKは今回、キュアバックとCVnCOVを年内に最大1億回分、生産することも取り決めた。ベルギー工場で製造する。同ワクチンは4~6に認可が申請される見通しだ。

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