欧州委員会は10日、EUと英国が昨年末に合意し、1月1日に暫定発効した自由貿易協定(FTA)について、EUによる批准の期限の2カ月延長を英政府に要請することを決めた。2月末が期限となっているが、欧州議会での審議が遅れているため、4月末までの延長を求める。
EUと英国は12月24日にFTAで合意。英国側は議会が30日に承認し、批准手続きを終えた。EUでは欧州議会の承認が必要だが、審議の時間がないため、加盟国が29日に暫定承認し、発効にこぎ着けた。
欧州委は期限延長について、協定文書を24に上るEUの公用語に翻訳しなければならないことなどで欧州議会の審議が遅れていることを理由に挙げた。
期限延長は英政府の承認が必要。英国側が応じない場合、欧州議会は協定内容の検証が不十分でも審議を終え、2月末までに承認せざるを得ない状況に追い込まれそうだ。