トルコ宇宙計画、23年に月探査船打ち上げ

トルコのエルドアン大統領は9日、国家宇宙計画の開始を記念する式典で、建国100周年に当たる2023年に月探査船を打ち上げると発表した。向こう10年の宇宙計画の一環で、月に硬着陸する。28年までの軟着陸達成も目指す。トルコ宇宙機関(TUA)が計画実行を主導する。

宇宙計画では、10年で10件のプロジェクトを成功させることを目指す。月探査では国際提携を通じて、23年末にハイブリッドロケットで探査船を打ち上げる予定だ。提携について具体的なことは明らかにされていないが、ロイター通信によると、エルドアン大統領は1月、スペースXのイーロン・マスク氏に提携を打診したという。

エルドアン大統領はこの他のプロジェクトとして、国際提携を通じた宇宙船発着基地(スペースポート)の整備や、人工衛星及び関連技術(独自測位システム、宇宙天気現象・地球気象観測技術、宇宙観測・宇宙物体追跡技術)の開発、トルコ人科学者の宇宙への派遣などに触れた。プロジェクト実施で得られたノウハウを人工衛星生産や防衛技術に応用することを視野に入れている。

トルコはこれまでに複数の偵察・通信衛星を打ち上げた。先月にはスペースXの発射基地から「5A」通信衛星を発射した。来年も、国産の高解像度地上観測衛星イメジェ(Imece)の打ち上げを予定する。

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