英自動車大手ジャガー・ランドローバー(JLR)は15日、高級車ブランド「ジャガー」を2025年から全面的に電気自動車(EV)に切り替えると発表した。SUVブランドの「ランドローバー」も24年からEV化を進め、30年までにJLRの全車種でEVを投入する。
インド自動車大手タタ・モーターズ傘下のJLRはディーゼル車が主力で、EV分野で出遅れていた。しかし、英政府が昨年11月、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止すると発表するなど、世界各国が地球温暖化対策の強化に乗り出し、自動車メーカーのEV開発・販売競争が加速する中、内燃エンジン車に見切りをつけ、EV化に踏み切った。
ジャガーのEV特化、ランドローバーのEVへの切り替えに伴い、36年には内燃エンジン車の販売を打ち切る。ランドローバーは向こう5年で6車種のEVを投入する予定で、24年に最初のEVを発売する。
JLRは英中部キャッスルブロムウィッチの工場で、高級セダン「ジャガーXJ」のEVモデルを生産する予定だったが、同計画を中止し、近くのソリフル工場ですべてのEVを生産する。
同社はEVのほかコネクテッドカーの技術開発に年25億ポンド(約3,670億円)を投資する。また、水素燃料電池車の投入も視野に入れており、22年中に試作車の走行試験を実施する計画だ。