英グリーンシルが経営破綻、ファンド凍結で苦境に

英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルは8日、裁判所に会社管理手続きを申請し、経営破綻した。同社にはソフトバンクグループ(SBG)が傘下のファンドを通じて出資している。

グリーンシルは企業間取引で生じる売掛債権を電子記録債権化して支払いを代行する「サプライチェーンファイナンス」を手掛け、金融と最先端のIT技術を融合したフィンテックの分野で注目されていた。しかし、金融大手クレディ・スイス・グループが今月1日、資産価値の評価に懸念があり、投資家保護の必要性が生じたとして、同社に投資するファンドを凍結。スイス資産運用・管理大手GAMインベストメントもこれに追随し、資金繰りが行き詰まっていた。

負債総額や投資家への影響は明らかになっていない。SBG傘下のファンドはグリーンシルに約14億6,000万ドルを出資していた。

管財人に任命された国際会計事務所の英グラントソントンは8日、「グリーンシルの資産購入について利害関係者と協議を続けている」との声明を発表した。欧米メディアによると、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントが同日、買収で合意した英領バミューダを拠点とする生命保険持ち株会社アテネ・ホールディングがグリーンシルのITシステムや知的財産を取得する方向で交渉が進められているもようだ。ただ、ブルームバーグによると、グリーンシルの主要技術パートナーである米タウリアとアテネの協議が難航しており、事業売却計画は頓挫する可能性が高いという。 

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