英スコットランド議会選で独立派が過半数確保、住民投票の再実施要求へ

英国のスコットランドで6日に投票が行われた議会選(定数129)で、英国からの独立を掲げる与党スコットランド民族党(SNP)が最多の64議席を獲得した。単独過半数には1議席届かなかったが、同じく独立を目指す緑の党が8議席を押さえ、合計で過半数を確保した。SNPは独立の是非を問う住民投票の実施を求める方針だが、英ジョンソン首相は反対しており、国と地方の対立が深まる可能性がある。

自治政府の首相であるSNPのスタージョン党首は「独立派」が過半数の議席を確保したことを受け、住民投票の実施は「民主主義の根幹にかかわる問題だ」と強調。実施に反対するジョンソン首相の姿勢を強く批判した。SNPは新型コロナウイルス危機が収束することを条件に、5年の会期の前半が終了する23年末までに住民投票を実施したいとしている。

ただ、実施には英政府の許可が必要。ジョンソン首相は8日付の英紙テレグラフのインタビューで「国民が新型コロナで打撃を受けた経済の立て直しを求める中で、国を分裂させる論争を起こすべきではない」と指摘。住民投票を認めない姿勢を改めて示した。

14年に実施された住民投票では賛成45%、反対55%で英国からの独立が否決された。しかし、英国のEU離脱を問う16年の国民投票で、スコットランドでは62%が残留を支持した。SNPはEU離脱をきっかけに独立機運が高まっていると主張し、住民投票の再実施を選挙公約に掲げていた。

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