欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/6

EU産業・貿易

欧州委が域内農家に1.6億ユーロの追加支援、露の禁輸措置対応で

この記事の要約

欧州委員会は9月30日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗して発動した禁輸措置で影響を受けるEU内の生鮮野菜、果物の農家に対する追加支援策を発表した。すでに実施した1億2,500万ユーロに加え、新たに1億 […]

欧州委員会は9月30日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗して発動した禁輸措置で影響を受けるEU内の生鮮野菜、果物の農家に対する追加支援策を発表した。すでに実施した1億2,500万ユーロに加え、新たに1億6,500万ユーロの支援を年末まで行う。

EUによる農家支援は、ロシアへの輸出が禁止された作物が行き場を失って域内市場に流通し、供給過剰となって値崩れを起こすのを防ぐのが目的。生産者が出荷を取りやめた場合などに補償を行う。8月に発表された第1次支援では、トマト、ニンジン、キャベツ、ピーマン、カリフラワー、キュウリ、マッシュルーム、リンゴ、洋ナシ、ブドウ、キウイなど13品目が対象だった。

第1次支援には適用申請が殺到し、1億2,500万ユーロの予算が消化されたことから、欧州委は9月10日に打ち切った。このため、新たに1億6,500万ユーロの予算を設けて、支援を継続する。新たにオレンジ類を適用対象に加えた一方で、前回含まれていたキャベツ、カリフラワーなど一部の品目は除外された。

さらに欧州委は、1次支援でロシアへの年間輸出量をはるかに上回る量が申告されるなど、妥当性が疑わしい受給申請が多かったことから、今回は品目を4グループに分類して、それぞれ生産量ベースで支援規模に枠を設ける。この枠は過去3年間の平均輸出量と前回の支援を勘案して割り当てる。