欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/6

西欧

独ネット関連2社が上場、滑り出しは不調

この記事の要約

独ネット通販大手のツァランドと、同社の筆頭株主でインターネット関連企業の起業を支援する投資会社ロケット・インターネットが相次いで新規株式公開(IPO)を実施した。上場前の期待は大きかったものの、上場後の株価は両社とも事業 […]

独ネット通販大手のツァランドと、同社の筆頭株主でインターネット関連企業の起業を支援する投資会社ロケット・インターネットが相次いで新規株式公開(IPO)を実施した。上場前の期待は大きかったものの、上場後の株価は両社とも事業の先行きへの不安から公開価格を下回っている。

ツァランドは9月30日に上場した。初値は24.10ユーロで、公開価格(21.50ユーロ)を12%上回ったものの、株価はその後に急落。終値は公開価格と同じ21.50ユーロとなった。ツァランドは発行済み株式の11%を売り出した。公開価格をもとに計算すると、同社の時価は55億ユーロに達する。

ツァランドは2008年の設立後、急速に業績を伸ばし、売上高は09年の600万ユーロから13年には17億6,200万ユーロへと拡大した。ただ、成長を最優先し利益を度外視してきたため、今年上半期まで利益(EBIT)を計上したことがなく、これが投資家の敬遠を招いたもようだ。

同社に38.2%出資するロケット・インターネットは1日に上場。初日の終値は37ユーロで、公開価格42.50ユーロを約13%下回った。同社の出資先企業の多くは黒字を計上しておらず、ドイツ有価証券投資家保護協会(DSW)はツァランドとロケット・インターネットへの投資を「投機だ」として、個人投資家に両社の株式を購入しないよう呼びかけていた。