ユーロ圏の景況感指数、7月は過去最高

欧州委員会が7月29日に発表したユーロ圏の同月の景況感指数(ESI、標準値100)は、前月を1.1ポイント上回る119.0となり、調査を開始した1985年以降で最高の水準に達した。欧州で新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済が正常化に向かっていることで、景気の先行きを楽観視する動きが広がっている。

EUのESIは前月を0.9ポイント上回る118.0で、こちらも過去最高水準だった。主要国はフランスが4.0ポイント、イタリアとスペインが1.7ポイント、ドイツが0.3ポイントの幅で上昇した。

ユーロ圏とEUのESI上昇は6カ月連続。ただ、上げ幅は3月が9.6ポイント、4月が4.0ポイント、6月が3.4ポイントと縮小傾向にあり、7月は一段と鈍化した。新型コロナのインド型変異ウイルス(デルタ株)の感染が拡大していることなどが背景にあるもようだ。ユーロ圏では製造業(1.8ポイント上昇)が過去最高を更新し、サービス業(1.4ポイント上昇)が07年8月以来の高水準に達したが、小売業が0.1ポイント、消費者が1.1ポイント、建設業が0.8ポイントの幅で後退した。

欧州委は上昇のペースが弱まっており、ESIが頭打ちに近づいていると分析している。