フェイスブックのカスタマー買収、EUが疑義

欧州委員会は2日、米フェイスブックが顧客情報管理(CRM)用ソフトウェアを手がけるカスタマーを買収する計画について、本格的な調査を開始したと発表した。CRM用ソフトでの健全な競争が損なわれることなどを懸念したもので、詳細な調査を行った上で買収の可否を最終判断する。

カスタマーは企業が電話やメール、ショートメッセージサービス、対話アプリを通じた顧客との対話を一元管理するCRMを開発する企業。フェイスブックは2020年11月にカスタマーを買収すると発表していた。傘下の対話アプリ「ワッツアップ」などのサービス拡充が狙いだ。

欧州委は初期調査の結果、同買収が実現するとフェイスブックがカスタマーと競合する企業にワッツアップなど対話アプリを利用できないようにする恐れがあると判断。カスタマーの顧客データを入手することで、ウェブサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告市場での優位が増す可能性もあるとして承認を見送り、本格的な調査を実施することを決めた。買収を承認するかどうかを21年12月22日までに最終判断する。

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