欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/13

EU産業・貿易

銀行検査、26日に結果公表=ECB

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は10日、ユーロ圏の大手銀行を対象に実施している包括的な健全性検査の結果を26日に公表すると発表した。同検査はユーロ圏の銀行の監督をECBに一元化する制度が11月4日に正式始動するのに伴うもので、資 […]

欧州中央銀行(ECB)は10日、ユーロ圏の大手銀行を対象に実施している包括的な健全性検査の結果を26日に公表すると発表した。同検査はユーロ圏の銀行の監督をECBに一元化する制度が11月4日に正式始動するのに伴うもので、資本不足と判定された銀行は対応を求められることになる。

約130位を対象とする銀行検査は、ストレステスト(健全性審査)と、資産の質を精査する資産査定の2つ。ストレステストでは欧州委員会の最新経済予測に基づく「基本シナリオ」と、大きな逆風にさらされる場合を想定した「逆境シナリオ」の2つを設定し、対象となる銀行の中核的自己資本比率が基本シナリオの下で8%、逆境シナリオ下で5.5%を上回ることが“合格”基準となる。資産査定では不良債権のほか、「レベル3資産」と呼ばれるデリバティブ商品、不動産など評価が難しい資産も詳細に査定する。

両検査の結果、資本不足と判定された銀行は、公表日から2週間以内に資本増強計画を提示しなければならない。実際の増資は、「基本シナリオ」での資本不足については6カ月以内、「逆境シナリオ」での不足は9カ月以内の実施を求められる。