セメントなど建設資材大手のホルシム(スイス)は10日、ブラジル事業を同国鉄鋼大手CSNに売却することで合意したと発表した。生産で大量の二酸化炭素(CO2)を排出し、環境負荷が高いセメント事業を縮小し、持続可能(サステナブル)な事業の拡大を進める戦略に沿ったもの。売却額は10億2,500万ドルに上る。
売却する資産にはブラジルのセメント、骨材、生コンクリート工場などが含まれる。
ホルシムはサステナブルな事業に軸足を移しつつあり、18年にインドネシア事業を同国セメント最大手の国営セメン・インドネシアに売却。一方、1月は太陽光発電パネルを設置しやすい平屋根を手がけるブリヂストンの米建材子会社ファイアストン・ビルディング・プロダクツ(FSBP)を34億ドルで買収すると発表していた。
ブラジル事業売却で得る資金は、ファイアストンを中心とする建築ソリューション部門の強化や債務圧縮に充てる。