EU統計局ユーロスタットが15日に発表したユーロ圏の2021年4~6月期の労働コスト(時間当たり)上昇率は、物価変動を加味しない名目ベースで前年同期比マイナス0.1%だった。低下は2011年以来。コロナ禍が深刻化していた前年同期にロックダウン(都市封鎖)の影響で労働時間が減った中で、各国の雇用支援措置によって、1時間当たりの賃金が大きく押し上げられた反動が出たと目される。(表参照)
労働コストの大部分を占める賃金・給与が0.4%低下した。非賃金コストは0.8%の上昇となった。業種別の労働コスト上昇率は鉱工業がマイナス1.6%、建設業が同0.9%、サービス業が同0.5%だった。
EU27カ国ベースの労働コストは0.5%上昇したが、上げ幅は前期の1.6%から大きく縮小した。主要国はイタリアが4.0%、スペインが3.7%の低下、フランスが0.1%の上昇だった。ドイツは横ばい。