ルーマニア中銀が約3年半ぶり利上げ、政策金利1.5%に

ルーマニア中央銀行は5日、主要政策金利を0.25ポイント引き上げ、1.5%に設定した。利上げは2018年5月以来、3年5カ月ぶり。インフレが高進しており、利上げで物価上昇にブレーキをかける。銀行間取引の上限金利であるロンバード(貸出)金利と下限金利の預金金利も0.25ポイント引き上げ、それぞれ2.00%、1.00%とした。

同国のインフレ率は1月の3%からほぼ右肩上がりで上昇を続け、8月には過去3年間で最も高い5.25%まで上昇した。これは中銀目標の2.5%(±1.0ポイント)を大きく上回る水準。天然ガス、電力料金などエネルギー価格の高騰が影響している。

中銀の懸念材料は、新型コロナ禍が長引く中での財政リスクやマクロ経済の不透明感だ。エネルギーや農産物などの価格上昇や、サプライチェーンから生産部門への流れが滞ることで世界的にインフレが強まることも警戒している。引き続き国内外の経済環境を注視し、中期的な物価安定のための措置を講じる方針だ。

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