欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/13

東欧・ロシア・その他

ブルガリア議会選挙、中道右派が第1党に

この記事の要約

ブルガリアで5日、国民議会の前倒し選挙が行われ、ボイコ・ボリソフ元首相率いる中道右派「ブルガリアの欧州における発展のための市民(GERB)」が勝利した。ただ、単独過半数はならず、連立政権樹立を模索する。 各党の得票率は、 […]

ブルガリアで5日、国民議会の前倒し選挙が行われ、ボイコ・ボリソフ元首相率いる中道右派「ブルガリアの欧州における発展のための市民(GERB)」が勝利した。ただ、単独過半数はならず、連立政権樹立を模索する。

各党の得票率は、GERBが32.7%、社会党(BSP)が15.3%、トルコ系住民を代表する「権利と自由のための運動(MRF)」が14.8%、改革派ブロック(RB)が8.9%、「愛国戦線」が7.3%、「検閲のないブルガリア(BWC)」が5.7%、極右のアタカが4.5%、パルヴァノフ元大統領らが結成した左派・選択肢党(ABV)が4.2%だった。

議会入りの条件となる得票率4%を超えた政党は8党に上り、体制転換後最多となった。一方で投票率は5日19時現在で47%にとどまった。

GERBの連立の可能性としては、改革派ブロックが有力視される。一方で、ボリソフ氏は前政権の連立与党である社会党およびMRFとの連立はないと言明した。

ブルガリアは景気改善と汚職対策が課題となっているが、昨年3月のボリソフ内閣総辞職以来、暫定内閣を含めて政権交代が4回あり、政治的混乱が続いている。

昨年5月の前倒し選挙後に成立した左派中道政権は、景気・雇用・汚職といった問題に有効な対策を打てずに支持率が低下。今年5月の欧州議会選でGERBに敗北した。続いて、天然ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」をめぐってMRFが政権を離脱した。そして、6月からの金融スキャンダルがとどめを打ち、7月に内閣が総辞職して前倒し選挙の実施につながった。