英自動車大手ジャガー・ランドローバー(JLR)が、EUの排出規制に対応するため、電気自動車大手の米テスラと連携したことが10月26日に分かった。排出枠を自動車メーカーが融通し合う「プール」と呼ばれる連合を組み、2021年の二酸化炭素(CO2)排出枠をテスラから購入する。これによって多額の罰金の支払いを回避できる。
EUではCO2の排出規制を順守できない乗用車メーカーに罰金を課すルールが20年に導入された。21年はEU全体で乗用車のCO2排出量を1キロメートル当たり平均95グラム以下とすることが求められ、達成できなかったメーカーは排出量が95グラムを1グラム超えるごとに同年にEU市場で販売した新車1台につき95ユーロの罰金を支払わなければならない。
一方、同規制ではメーカー同士が「プール」を組み、目標達成が見込めないメーカーが相手側から余った排出枠を買い取る形で達成とみなすことを認めている。20年に3,500万ポンド(約55億円)の罰金を支払ったJLRは、21年も自社の努力だけで目標を達成できなくなったことから、テスラと手を組んだ。
自動車メーカーではフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が19年、ホンダが20年にテスラとプールを組み、罰金支払いを回避した。ホンダは21年もプールに加わる。