トルコ中銀が大幅な追加利下げ、政策金利16%に

トルコ中央銀行は21日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を2ポイント引き下げ、16%に設定した。利下げは2会合連続。市場は0.5ポイントの下げ幅を予想していた。インフレが高進しているものの、景気対策を優先するため、エルドアン大統領の意をくむ形で大幅な追加利下げに踏み切った。

同国のインフレ率は9月に19.6%となり、上げ幅は前月から0.3ポイント拡大した。昨年9月(11.8%)からはほぼ右肩上がりで、上げ幅の合計は7.8ポイントに達している。通貨リラ安を受けた輸入品価格の上昇や、エネルギーおよび食糧価格の高騰、需要の急速な伸びに対する供給不足などが大きい。

中銀はこれらについて「一時的な要因」とする従来の見解を繰り返す一方、昨年9月から今年8月まで続いた金融引き締めにより、金融機関に貸し渋りの動きや個人融資の利用減少がみられると指摘。供給サイドの制限の緩和が必要だとし、大幅な利下げを決めたと説明した。 今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とコメントした。

エルドアン大統領はかねてより「高金利がインフレを招く」を持論としており、中銀の引き締め政策に批判的だ。一方、今回の利下げを受けて通貨リラは過去最安値を更新するなど、同国の金融政策への不信感が高まっている。

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