欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/11/1

東欧・ロシア・その他

ガス供給途絶のモルドバ、ポーランドから天然ガス輸入へ

この記事の要約

モルドバ政府は10月25日、ポーランド国営石油ガス大手PGNiGから天然ガス100万立方メートルを試験購入すると発表した。ロシア国営ガスプロムによる供給の減少を受けたもので、国営ガス会社エネルゴコムが急きょ実施した入札に […]

モルドバ政府は10月25日、ポーランド国営石油ガス大手PGNiGから天然ガス100万立方メートルを試験購入すると発表した。ロシア国営ガスプロムによる供給の減少を受けたもので、国営ガス会社エネルゴコムが急きょ実施した入札にはPGNiGを含む7社が応札した。モルドバにとってロシア以外の国から天然ガスを輸入する初のケースとなる。

ポーランドからの供給はウクライナの導管網を通じて行われる。これについてはPGNiGの関連会社と米・ウクライナ系企業のERUグループが協力して実施する。ウクライナのガス導管網を管理するウクルトランスガスは2019年、供給に余力のある同国のパイプラインとガスの備蓄施設の利用を認めることを提案していた。

モルドバはガスプロムからの供給減少を受け、10月22日に1カ月間の緊急事態宣言を発表していた。同宣言期間中は政府がガス購入手続きを簡素化することが認められている。

現地メディアによると、モルドバとガスプロム間の契約は9月末に終了し、政府は延長に向けた交渉を進めてきた。ガスプロムは1,000立方メートル当たり790ドルを提示したが合意にいたらなかった。一方モルドバ政府は今後もロシア政府やガスプロムと長期契約に向けた交渉を継続する意向を明らかにしている。

モルドバは天然ガスの全量をロシアからの輸入に依存しており、備蓄も行っていない。