グーグルへの巨額制裁、欧州裁がEUの決定支持

欧州司法裁判所の一般裁判所は10日、米グーグルがEU競争法に違反したとして、同社に24億2,000万ユーロ(約3,170億円)の制裁金を科した欧州委員会の決定を支持する判断を示した。グーグルは決定の取り消しを求めて提訴していたが、裁判所は同社の訴えを退けた。

欧州委は2017年6月、グーグルがインターネット検索市場における支配的地位を乱用し、検索結果ページで自社の商品比較サイト「グーグルショッピング」を優先的に表示するなどして、公正な競争を妨げたと判断。同社に科した制裁金は、単独企業に対する競争法違反での過料として当時の過去最高額だった。グーグルはこれに対し、オンラインショッピングの利用者が欲しい商品に素早くたどり着くためのサービスなどと反論。同年9月、決定の無効化を求めて司法裁に提訴した。

一般裁判所は、グーグルの商慣行が市場支配的地位の乱用にあたるとした欧州委の判断は妥当で、同社による反競争的行為は過失ではなく、意図的なものだと指摘。制裁金の規模についても欧州委の決定を支持した。巨大IT企業の市場独占を阻止する欧州委の取り組みが正当化された格好だ。

グーグルは判決を受け、公正な競争条件を確保するため、すでに欧州委の是正命令に沿って変更を行っているとコメント。上訴するかどうかについては言及していない。

一方、欧州委は「市場に法的な明確性を与える」と判決を歓迎。「今後もあらゆる手段を用いて、多くの企業やユーザーが依存する大規模なデジタルプラットフォーマーを取り巻く課題に対処する」と強調した。

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