英政府統計局が11日に発表した同国の2021年7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比1.3%増で、2四半期連続でプラス成長となった。コロナ禍を受けたロックダウンの緩和で経済正常化が進み、景気回復が続いている。ただ、サプライチェーンの混乱による生産資材の不足などで、上げ幅は前期の5.5%を大きく下回った。
分野別では個人消費が2.0%増、設備投資が0.8%増だった。業種ではロックダウンに伴いサービス業が1.6%増と伸びた。一方、製造業は部品など生産資材のほか労働者の不足も響き、0.3%減と低迷した。とくに自動車生産が落ち込んでいる。建設業も1.5%減と振るわず、5四半期ぶりにマイナスとなった。
4~6月期は経済の再開で個人消費が7.2%増と一気に回復し、大きく成長した。7~9月期は個人消費の勢いが衰え、製造業が不振だったことで失速。英中央銀行のイングランド銀行は、10~12月期は消費者物価急上昇の影響も加わって1.0%の成長にとどまるとの見通しを示している。