EUは9日、域内の他の国で携帯電話を使用する際に発生する国際ローミング料金の無料化について、2032年まで継続することで加盟国と欧州議会の代表が合意したと発表した。現行規則では22年6月末が期限となっていたが、10年間延長される。
EUでは07年6月に採択された「携帯電話の国際ローミングに関する規則」に基づいて、域内の他の国で音声通話、ショートメッセージサービス(SMS)、データ通信を利用する際のローミング料金が17年6月から撤廃された。これによって域内のどこに移動しても自国と同じ料金水準で各種サービスを利用できるようになっている。
欧州委員会は2月、域内の携帯電話サービス市場で健全な競争を維持するため、引き続きローミング料金を規制する必要があるとして、無料化の10年間延長と、事業者が他社の回線を使用する際に支払うホールセール料金の上限を引き下げることを柱とする新規則案を発表。加盟国と欧州議会の折衝で、同案が承認された。加盟国、欧州議会がそれぞれ最終承認した上で正式決定となる。