蘭社が英AI創薬企業を買収、欧州最大のSPAC合併に

オランダのユーロネクスト・アムステルダムに上場する特別買収目的会社(SPAC)のオデッセイは6日、人工知能(AI)を活用した創薬を手がける英新興企業のベネボレントAIを買収し、合併することで合意したと発表した。欧州のSPACによる買収としては過去最大規模となる。

ベネボレントAIはオデッセイとの合併によって2022年に上場する。合併に伴ってオデッセイから3億ユーロを受け取るほか、既存株主のシンガポール政府系投資会社テマセクや提携関係にある英製薬大手アストラゼネカなどが私募増資を引き受け、総額3億9,000万ユーロを調達する。

同社は米イーライ・リリーが開発し、米国で新型コロナウイルス感染症の治療への転用が承認された抗リウマチ薬「オルミエント」の創薬に寄与したことなどで知られる企業。2013年に創業した。上場で調達する資金で研究・開発を加速する。上場後の企業価値は最大15億ユーロに上る見込みだ。

オデッセイは欧州の医療、技術系企業の買収に特化したSPAC。7月に上場した。

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