ロシアの国営テクノロジー・金融大手ズベルは6日、自社開発のスマートスピーカー「ズベルボックス・タイム」を公開した。外観はアナログ時計と小型のスピーカーを組み合わせたような形状をしている同装置は、スマートスピーカー、アラーム付き時計、様々な放送信号を家庭用テレビで視聴できるようにするセットトップボックス(STB)の3つの機能が一体となっているのが特長だ。
販売予定価格は7,990ルーブル(約95ユーロ)。ユーザーは同装置を使い、ズベルの食事宅配サービスやオンラインゲーム、音楽・ビデオのストリーミングサービス、教育アプリなどを利用できる。
「ズベルボックス・タイム」を販売するのはズベルグループ傘下のIT企業でスマート機器を開発するズベル・デバイシーズ。同社は、人工知能(AI)や機械学習(ML)機能を活用し、自然言語処理(NLP)のモデルや、コンピューターの視覚情報処理能力であるコンピューター・ビジョン、生体情報、神経インターフェースなどに関連したシステムを開発している。
「ズベルボックス・タイム」は音声認識機能を通して人と会話ができるほか、利用者の気分に合わせて音楽や好みのラジオ局を選択したり、子供に読み聞かせをすることが可能。音楽は「ズベル・サウンドライブラリー」の6,500万曲の中から選べる他、HDMI端子を使いテレビと接続することで、視聴できる番組すべてをコントロールできる。また他のオーディオ機器を接続して、音楽配信サービス「ズベル・ズブーク」や映画のストリーミングサービス「オッコ(Okko)」、オンラインゲーム「ズベル・プレイ」などを楽しむことが可能だ。
ズベル・デバイシーズは2019年に設立された。従業員数は600人。デバイスの開発にはロシア最速のスーパーコンピューター「クリストファリ」が使われている。