欧州のスーパー大手6社は16日、ブラジル産の牛肉や加工食品の販売を中止すると発表した。ブラジルの畜産がアマゾンの森林破壊を助長していることを受けたもの。各社の対応は異なるが、一部のスーパーはブラジルを含む南米産の牛肉の販売を全面的に中止する方針を打ち出している。
同方針を発表したのは仏カルフールのベルギー子会社、仏オーシャン、オランダのアホールド・デレーズ傘下の2社、英セインズベリー、独リドルのオランダ子会社。南米産牛肉の販売を中止するのはリドルのオランダ子会社で、22年から実施する。
アマゾンの森林破壊は、経済優先を掲げるボルソナロ大統領が19年に就任してペースが加速している。今回のスーパー各社の動きは、ブラジルの環境破壊、人権侵害などに関する報道を行う非政府組織(NGO)の「リポーター・ブラジル」が、食肉加工世界最大手のJBSなど同国の食肉加工会社が違法伐採された地域から調達しているという調査結果を発表したのがきっかけだ。
アホールド・デレーズ傘下のアルバート・ハインは、ブラジル産牛肉の販売を中止する。カルフールのベルギー子会社とオーシャンはJBSの合弁会社が製造するビーフジャーキーの販売から手を引く。セインズベリーはブラジル産コーンビーフの販売を中止する。