バイエル、ゲノム編集の米マンモスと提携

製薬大手の独バイエルは10日、米バイオ企業マンモス・バイオサイエンシズと提携で合意したと発表した。遺伝子・細胞治療薬事業の強化が狙い。マンモスが持つゲノム編集技術を活用して治療が困難な疾患の医薬品を開発する。

マンモスは2020年のノーベル化学賞を共同受賞したジェニファー・ダウドナ氏が設立に関与した企業。「クリスパー・キャス9」というゲノム編集技術分野で高く評価されている。

ゲノム編集には患者から取り出した遺伝子を体外で改変して体内に投入する「ex vivo」と、正常な遺伝子をベクターに組み込んで体内に注入する「in vivo」の2種類がある。今回の提携ではin vivo方式で開発を行う。まずは肝臓疾患分野に対象を絞り込む。

バイエルはマンモスに前金として約4,000万ドルを支払い、研究・開発・販売目標の達成度に応じて最大10億ドル超を上乗せする。また、研究費用を負担するほか、製品売上の一定比率をロイヤリティとして支払う。

バイエルは遺伝子・細胞治療薬事業の強化に向け、これまでに米バイオ企業アスク・バイオ、ブルーロック・セラピューティクスを買収した。マンモスとの提携により「当社の細胞・遺伝子治療薬戦略の技術的なポテンシャルをフルに引き出すことができる」としている。

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