2022/1/24

EU情報

欧州議会が「デジタルサービス法」修正案可決、大手IT企業に対する規制強化

この記事の要約

欧州議会は20日の本会議で、インターネット上で利用者とサービスや商品を仲介する事業者に対する新たな規制案「デジタルサービス法(DSA)」の修正案を賛成多数で可決した。欧州委員会が提示した原案に対し、広告を目的とするデータ […]

欧州議会は20日の本会議で、インターネット上で利用者とサービスや商品を仲介する事業者に対する新たな規制案「デジタルサービス法(DSA)」の修正案を賛成多数で可決した。欧州委員会が提示した原案に対し、広告を目的とするデータ利用に関するルールの厳格化などの変更を加えた内容となっている。新規制の早期導入に向け、欧州議会とEU加盟国の代表に欧州委員会を加えた3者による交渉に入る。

デジタルサービス法は2000年に制定された「電子商取引指令」を改正し、EU域内でオンライン仲介サービスを提供する事業者に違法コンテンツの排除などを求める内容。仲介サービスにはユーザーのデータを補完するホスティングサービスが含まれ、具体的にはSNSやコンテンツ共有サービスなどを提供するオンラインプラットフォームが中心となる。

全ての仲介サービス事業者が規制の対象となり、違法コンテンツを排除するほか、違法性のあるコンテンツを第三者が通報できる仕組みの構築などが求められる。特に仲介サービス事業者のうち、域内のサービス利用者が人口の10%に当たる4,500万人を超える「巨大オンラインプラットフォーム(very large online platforms)」の運営者に対する規制が強化される。具体的には◇違法なコンテンツの流通や、選挙や公衆衛生などに関連した意図的な情報操作などに関するリスクの特定と分析◇広告の内容や提供元、表示期間などの情報開示◇特定ユーザーが興味を持つと思われる情報を提示する「レコメンダシステム」の主要パラメータの透明性確保――などを義務付ける。

修正案には新たに◇零細・小規模事業者に対して一部のルールを適用除外とする◇ターゲティング広告におけるデータの取り扱いについて、データを収益化する手法などを含め、サービスの受け手に対してより透明性の高い、十分な情報に基づく選択肢を用意し、同意を拒否する際の手順が同意する場合より複雑であったり、時間がかからないようにする◇ターゲティング広告のための未成年者からのデータ収集を禁止する――などが盛り込まれた。

加盟国は違反した事業者に対する罰則を定めなければならず、巨大オンラインプラットフォームに関しては、欧州委員会が直接調査を実施し、違反が認められた場合は年間売上高の6%を上限に制裁金を科すことができる。