独化学大手のコベストロは18日、日本特殊コーティング(JFC)の株式30%をJSRから取得し、完全子会社化したと発表した。光ファイバー用コーティングの分野で競争力強化が狙い。取引価格は数百万ユーロ。
コベストロの塗料・接着剤事業部門の責任者は「当社の塗料・接着剤事業は、光ファイバー用コーティング市場におけるポジションを確立しているが、JFCを完全子会社にすることで、より独立した事業展開が可能となる。この市場は、特に今後の5G技術の普及により、飛躍的に成長する可能性を秘めている」と述べた。
JFCは米デソトとJSRが1982年に折半出資で設立した企業で、筑波に工場を持つ。従業員数は契約社員を含めて約65人。90年にデソトを買収した蘭化学大手DSMは2016年、JFCへの出資比率を70%に引き上げ子会社化した。コベストロは昨年4月、DSMのレジンズ&ファンクショナルマテリアルズ事業買収に伴い、JFC株70%を取得していた。