スウェーデン政府は27日、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を同国南部のフォルスマルクに建設する計画を承認したと発表した。建設が始まれば、フィンランドに続いて世界で2例目となる。2030年代初めの稼働開始が見込まれる。
フォルスマルクは首都ストックホルムの北方約170キロに位置する。処分場では銅製の容器に使用済み核燃料を入れ、地下約500メートルに埋める「地層処分」の手法を採用し、放射能が無害化される10万年単位で保管する。
スウェーデンでは1970~80年代に国内4カ所の原発に計12基の原子炉が導入され、これまでに約8,000トンに上る核のごみが発生しているとされる。同国では70年代後半から最終処分に向けた地質調査や技術開発が進められ、09年にフォルスマルクを建設予定地に選定。電力会社などが出資する核燃料・廃棄物管理会社SKDが11年に建設の承認を申請し、20年10月に地元自治体が処分場の受け入れを表明していた。
ストランドヘル環境相は「放射性廃棄物の最終処分に関してわれわれの世代が責任を持たなければならない。過去40年にわたる研究の成果により、核のごみを10万年間は安全に保管することができる」と強調した。