ボルボとノースボルト、EV用電池工場建設

スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーは4日、同国の電池メーカー、ノースボルトと共同で、スウェーデン南部イエーテボリに電気自動車(EV)用電池の新工場を建設すると発表した。2023年に着工し、25年に生産を開始する。ボルボは30年までに全ての新車販売をEVにする目標を掲げており、新工場を通じてボルボおよび傘下のポールスターの次世代EVに搭載する電池を確実に調達する。

ボルボとノースボルトは21年6月、EV用電池を開発・生産する合弁会社を設立すると発表。総額300億クローネ(約3,800億円)を投じてイエーテボリに研究開発(R&D)センターを開設するとともに、欧州に新たな電池工場を建設する計画を打ち出した。その時点で工場の建設地は未定だったが、22年に稼働開始予定のR&Dセンターのほか、ボルボ・カーの本社や主力工場もあるイエーテボリに決定した。

新工場の生産能力は年間50ギガワット時(GWh)で、EV約50万台分に相当する規模。水力発電を中心に、100%再生可能エネルギーによる稼働を目指す。新工場では最大3,000人の雇用を見込む。

ノースボルトは米テスラ調達部門出身の元幹部が2016年に立ち上げたスタートアップで、独フォルクスワーゲン(VW)や独BMWなどが出資している。欧州の大手自動車メーカーは現在、主に中国の寧徳時代新能源科技(CATL)や韓国のLG化学などからEV用電池を調達している。ノースボルトはEVの普及に伴う需要拡大に対応するため、30年までに欧州での生産能力を年間150GWhに引き上げ、アジア勢に対抗して25%のシェアを獲得する目標を掲げている。

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