ノバルティスの後発医薬品子会社サンド、投資会社が買収検討

スイスの製薬大手ノバルティスの後発医薬品子会社サンドをめぐり、複数の投資会社が買収を検討していることが2日までに明らかになった。欧米メディアによると、米ブラックストーンとカーライル・グループが共同買収の可能性について協議を行っているほか、米アドベント・インターナショナルなどもサンドに関心を示しているもよう。ノバルティスは昨年からサンドの戦略見直しを進めており、事業の維持から分離・売却まで「引き続きあらゆる選択肢を検討する」とコメントしている。

サンドはイスラエルのテバ、米ヴィアトリスとともに後発医薬品3大メーカーの一角を占め、傘下に独ヘクサルなどを持つ。近年はバイオ後続品(バイオシミラー)の開発も手がけ、2021年の売上高は約96億ドルと、ノバルティス全体の約20%を占める。しかし、後発薬市場の競争激化で強い値下げ圧力に直面し、業績が悪化。ノバルティスは昨年10月、株主価値の最大化を図るため、撤退も視野に入れてサンドの戦略的見直しに着手すると表明していた。

ブルームバーグ通信によると、ブラックストーンとカーライルはサンドを共同で買収した場合のメリットを精査しており、サンドは最大250億ドル(約2兆8,800億円)と評価される可能性があるという。このほかアドベントやヘルマン&フリードマン、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)も買収を検討しているとされる。また、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係者の話として、スウェーデンのEQTがドイツの資産家シュトリュングマン家と共同でサンドの買収を検討していると報じた。シュトリュングマン家は2005年にヘクサルをノバルティスに売却した経緯がある。

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