ユーロ圏の貿易収支、エネルギー高騰で悪化

EU統計局ユーロスタットが15日に発表した2021年12月の貿易収支(速報値、季節調整前)統計によると、ユーロ圏の収支は46億ユーロの赤字だった。多くを輸入に頼るエネルギーの価格急騰が響き、収支が悪化している。(表参照)

収支が赤字となるのは2カ月連続。輸入は前年同月比36.7%増の2,233億ユーロ、輸出は14.1%増の2,187億ユーロだった。

ユーロ圏は原油、天然ガスの大半を輸入しているため、エネルギー価格の高騰で輸入コストが膨らんでいる。中国からの輸入が増え続けていることも収支悪化の一因だ。赤字幅は前月の15億ユーロを大きく上回った。季節調整済みベースの赤字は97億ユーロとなり、08年8月以来、13年ぶりの高水準に達した。

21年通期では1,284億ユーロの黒字だったが、黒字幅は前年から45%縮小した。EU27カ国ベースでは12月が10億ユーロの赤字、通期が689億ユーロの黒字だった。

EUと主要貿易相手国の21年の収支をみると、エネルギー価格の上昇を背景にロシアからの輸入が67.4%増加し、同国に対する赤字が前年の157億ユーロから692億ユーロに急拡大した。対日は輸出が13%増の624億ユーロ、輸入が13.3%増の623億ユーロで、収支はほぼゼロだった。対中は赤字が1,824億ユーロから2,489億ユーロに膨らんだ。

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