楽天シンフォニー、独英仏に拠点設立

楽天は14日、傘下の楽天シンフォニーがドイツ、英国、フランスに事業拠点を設立すると発表した。欧州の主要市場に事業拠点を設けることで、同地でのマーケティングと既存顧客へのサービスを強化。オープンRAN技術の普及を加速させる。各拠点は革新的な技術の開発に必要な次世代人材を惹きつけるハブとなることも目指す。

オープンRANは無線送受信装置などの仕様をオープンにして、複数メーカーの機器やシステムを相互接続できるようにした無線アクセスネットワーク(RAN)。特定メーカーへの依存を避け、RANを自由に構築できることから、電気通信サービス事業者の間でニーズが高まっている。

楽天シンフォニーのタレック・アミン最高経営責任者(CEO)は、「欧州はモバイルネットワークのインフラが成熟した市場だが、各国の通信事業者と政府はオープンRAN技術の可能性に対して高い期待を示している。私たちは、研究開発能力の向上と、より地域に根差したサービスを提供するために、欧州における事業を拡大することにした」と語った。独デュッセルドルフ、英ロンドン、仏パリに拠点を構える。

楽天は昨年夏、独通信サービス大手ユナイテッド・インターネット傘下の1&1から5G通信網の構築を受注した。自由度の高いオープンRAN技術を用いて欧州初の完全モバイルネットワークを築く。同社が日本で培った技術を海外に初めて移植するケースだ。

上部へスクロール