ユーロ圏財務相会合、対露制裁による代償に対応へ

ユーロ圏19カ国は25日に開いた財務相会合(ユーログループ)で、ロシアのウクライナ侵攻が欧州経済に及ぼす影響について意見を交換した。ドナフー議長(アイルランド財務相)は会合後の記者会見で、ロシアによる報復措置も含めてユーロ圏が代償を負うのは確実との見方を示し、必要な対策を講じる方針を示した。

EUがロシアに大規模な経済制裁を決めたことで、ロシアとの貿易取引が減るだけでなく、ロシアが欧州への天然ガス供給を止めるといった報復措置を発動することが予想される。ドナフー議長は「数週間、数カ月後に代償が生じるだろう」とした上で、ユーロ圏経済を下支えするための財政措置を講じる用意があるとコメント。財務相会合が数週間以内に同問題について協議する予定であることを明らかにした。

EUはロシアがクリミアに侵攻した2014年からロシアに経済制裁を科しており、すでに同国との貿易は縮小している。ユーロ圏からロシアへの輸出額は年800億ユーロ程度で、域内総生産(GDP)の0.6%に過ぎない。ユーロ圏財務相会合に参加した欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、制裁が貿易に及ぼす影響は限定的との見方を示した。一方、エネルギー価格の上昇によるインフレ率のさらなる拡大に懸念を示し、「ECBはユーロ圏、金融の安定のため、あらゆる措置を講じる用意がある」と述べた。

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