シェルがロシア事業から完全撤退、原油購入なども中止

英石油大手シェルは8日、ロシアでの事業から完全撤退すると発表した。同社は2月28日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシア極東の石油ガス開発事業「サハリン2」など同国の資源開発から手を引く意向を表明したが、その後にロシア産原油をスポット取引で、安値で購入していたことが発覚し、批判を浴びていた。

シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は「ロシア産原油購入を巡る先週の決定は適切でなかった」として謝罪。原油のスポット購入を即座に中止するほか、天然ガスや石油製品など、すべての資源の購入も段階的に打ち切る。ロシアでの給油所運営、航空燃料供給、潤滑油事業からも撤退する。

シェルはロシアから資源を調達しないことで、供給網の再構築が求められ、一部の製油所での生産が減少するとの見通しを示した。

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