欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/27

EU産業・貿易

EUと露の商用車めぐる紛争、WTOがパネル設置

この記事の要約

世界貿易機関(WTO)は20日、EUがロシアによるドイツ、イタリア製の軽商用車に対す反ダンピング措置発動を不当として提訴している問題で、EUの要請に基づいて紛争処理小委員会(パネル)を設置したと発表した。 ロシアは201 […]

世界貿易機関(WTO)は20日、EUがロシアによるドイツ、イタリア製の軽商用車に対す反ダンピング措置発動を不当として提訴している問題で、EUの要請に基づいて紛争処理小委員会(パネル)を設置したと発表した。

ロシアは2013年5月、独・伊が軽商用車(2.8~3.5トン)をダンピング輸出しているとして、ドイツ製に29.6%、イタリア製に23%税の反ダンピング関税を適用した。ロシアだけでなく、同国との関税同盟に加わるベラルーシ、カザフスタンも同措置を発動した。

これについて欧州委は、ダンピングに根拠はなく、同措置発動に手続き上の問題もあるとして反発。5月にロシアを提訴していた。パネル設置により、同問題は本格的な通商紛争に発展した。

一方、ロシア連邦動植物検疫監督局は同日、ウクライナ問題をめぐって欧米が同国に発動した経済制裁への対抗措置として、新たにEU産の牛脂などの輸入を21日付で禁止すると発表した。

ロシアは9月、EUと米国、豪州、カナダからの青果や肉類、乳製品などの輸入を1年間禁止する措置を発動していた。今回は肉類について、EU産の牛、豚、鶏の脂(ラードなど)や、ホルモンを禁輸対象に加えた。