ECB、資金供給での担保要件緩和を打ち切り

欧州中央銀行(ECB)は24日、ユーロ圏の銀行がECBから資金供給を受ける際に差し出す担保の要件を緩和する措置を打ち切ると発表した。新型コロナウイルス感染拡大が深刻化していた2020年に導入した同措置の必要性が薄れてきたと判断したためで、7月から段階的に縮小し、2024年3月に終了する。

ECBは20年4月、コロナ禍対応として、ユーロ圏の銀行がECBから資金供給を受ける際の担保基準を緩和し、幅広い資産を担保として受け入れることを決定。「TLTRO」と呼ばれる長期資金供給オペ(金融機関が融資を増やすことを条件に長期資金を供給するオペ)などを活用し、低利で銀行に長期資金を融通する際に適用してきた。銀行が持つ資産のうち、信用力が低い零細事業者などに提供した融資の債権や、格付けが投資不適格級となっているギリシャ国債、政府保証融資なども担保として認定することや、無担保債権の受け入れを拡大することが柱となっている。

縮小の第1弾として、20年4月7日以降に投資不適格級に格下げされた債券も担保として受け入れる措置を7月8日から中止する。また、10%に拡大していた無担保債権の受入枠を同日付で従来の2.5%に戻す。

このほかの緩和措置も24年3月までに打ち切る。ただし、ギリシャ国債については、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」と呼ばれる国債、社債などの資産を買い入れる措置で購入した資産の償還で得た資金を24年末まで再投資するプログラムで投資対象となっていることから、同プログラムが終了するまで担保として受け入れる。

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