トルコ政府は3月28日、一部の日用品に対する減税措置を導入することを明らかにした。洗剤、トイレットペーパー、紙ナプキン、新生児用おむつの付加価値税率を現行の18%から8%に引き下げる。同国では昨年11月からインフレ率が急上昇しており、2月には主要食料品を対象に減税措置を導入している。
インフレ率は2月に54.4%となり、2002年3月(65.1%)以来の高水準を記録した。インフレ率の上昇は9カ月連続で、特に昨年11月からは上げ幅の合計が33.1ポイントと急拡大している。通貨リラ安に伴う輸入品価格の上昇がエネルギー価格と食品の高騰に拍車をかけている。卸売物価指数は前月比7.2%のプラス、前年比では105%に上った。
記録的な高インフレを受け、政府は同月に乳製品、青果、食肉、米、食用油など主要食料品の付加価値税率をそれまでの8%から1%に引き下げた。
同国の中央銀行はロシアのウクライナ侵攻に伴い物価上昇圧力が強まる中にあっても利上げに踏み切っておらず、金利は14%に据え置かれたままだ。エルドアン大統領は利上げに反対の姿勢を崩さず、貸出金利を抑えることで生産と輸出を促進し雇用を生み出そうとしている。しかし通貨価値の急激な変動の影響は大きく、実質賃金の低下や可処分所得の減少を招いているほか、電力とガスの価格上昇が家計を直撃している。