欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2022/4/11

EU情報

欧州委員長がウクライナ訪問、EU加盟手続き「できる限り加速」

この記事の要約

欧州委員会のフォンデアライエン欧州委員長は8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、ゼレンスキー大統領と会談した。フォンデアライエン氏は会談後の共同記者会見で「この戦争は国際社会全体への挑戦であり、ウクライナの戦いは […]

欧州委員会のフォンデアライエン欧州委員長は8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、ゼレンスキー大統領と会談した。

フォンデアライエン氏は会談後の共同記者会見で「この戦争は国際社会全体への挑戦であり、ウクライナの戦いはわれわれの戦いだ。欧州はあなたたちの側にある」とウクライナへの連帯を表明。ウクライナのEU加盟については「手続きをできる限り加速させたい」と述べた。

EU加盟には全ての加盟国の承認が必要で、通常は交渉に数年を要する。ロイター通信によると、フォンデアライエン氏はゼレンスキー氏に加盟条件を満たしているかを問う質問書を直接手渡し、ゼレンスキー氏は1週間以内に回答すると答えた。

フォンデアライエン氏に同行したEUのボレル外交安全保障上級代表は、ウクライナに武器供与するためのEU資金を5億ユーロ上乗せし、総額15億ユーロ(約2,000億円)とする計画を公表。ゼレンスキー氏はEUが8日に正式発表したロシア産石炭の輸入禁止を軸とする追加制裁と併せ、EU側に謝意を示したうえで、石油や天然ガスの禁輸など一段の制裁強化を求めた。

フォンデアライエン氏は会談に先立ち、民間人とみられる遺体が多数発見されたキーウ近郊のブチャを訪問した。同氏は「残酷で冷淡な行動によって人道が破壊された。全世界がブチャの人々と共に悼んでいる。われわれもこの重要な戦いで共に立ち上がる」と述べた。