英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)は13日、米同業シエラ・オンコロジーを買収することで合意したと発表した。抗がん剤部門の強化が狙い。買収額は19億ドルに上る。
1株当たりの買収額は55ドル。前営業日(12日)の終値に39%を上乗せした水準だ。2022年7~9月期の買収手続き完了を見込む。
シエラ・オンコロジーは血液がんの治療薬に特化したバイオ医薬品企業。米バイオ医薬品企業ギリアド・サイエンシズから開発中の骨髄線維症(骨髄がんの一種)治療薬「モメロチニブ」を2018年に取得し、最終段階の臨床試験(治験)を行っている。米国で6月末までに認可を申請する見通しだ。
GSKは一般用医薬品(大衆薬)などを手がけるコンシューマー・ヘルスケア部門を分離することが決まっており、医療用医薬品事業の強化が必要となっている。とくに物言う株主として知られる米投資ファンドのエリオット・マネジメントが、抗がん剤部門の強化を求めていた。