チェコ中央銀行(CNB)は5日、主要政策金利である14日物レポ金利を0.75ポイント引き上げ、5.75%に設定した。利上げは8会合連続。ウクライナ戦争が物価を押し上げる中、インフレ期待を抑え、物価の安定を確保するため引き締め策を継続する。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ6.75%、4.75%に引き上げた。
同国の3月のインフレ率は前月から1.6ポイント増の12.7%に拡大し、9カ月連続で目標水準(1~3%)の上限を上回った。これは1998年5月(13%)以来の高い水準。燃料・食品価格の高騰と、強い需要を受けた供給不足、対ロ制裁を伴う戦争の影響が大きい。CNBは今後について、5~6月にかけて15%まで上昇した後は同水準で推移する一方、大幅な値上がりが消費意欲を後退させており、インフレ圧力を弱めると指摘。来年からはインフレ率が鈍り始め、一桁台まで下がるとの見方を示した。
CNBによると、現在のインフレの状況には、予想を超える価格の高騰と中期的な物価及び賃金の上昇が招く上振れリスクと、ウクライナ戦争に伴う需要の減退がもたらす下振れリスクという2つの方向がある。今回は相反するリスクと不確実性の高さを考慮して金利を決めたとしたうえで、さらなる追加利上げを行う用意があると明言した。