英インフレ率、4月は40年ぶり高水準

英政府統計局(ONS)が18日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比9.0%上昇した。同月から電気・ガス料金が大幅に引き上げられた影響が大きく、伸び率は3月の7.0%から2ポイント拡大し、約40年ぶりの高水準となった。

ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや食料価格の高騰がCPIを大きく押し上げた。天然ガスや石油などの価格高騰を受け、ガス電力市場監督局(Ofgem)は4月から6カ月間の家庭向け電力・ガス料金の上限を54%引き上げた。これにより、標準的な世帯が年間に支払う電力・ガスの合計料金の上限は693ポンド上昇し、1,971ポンドとなる。CPIの内訳をみると、電気代は3月の19.2%から4月は53.5%に、ガス代は28.3%から95.5%に急上昇した。

英国では電力・ガス料金の上限が毎年4月と10月に改定される。10月にはさらなる引き上げが予想されており、標準的な世帯が年間に支払う料金の上限は2,600ポンドに達するとの見方が出ている。

エネルギー以外では食品・飲料(アルコール類を除く)が6.7%上昇し、3月から0.8ポイント拡大。レストラン・ホテルも7.9%上昇し(3月は6.9%)、付加価値税(VAT)の税率が新型コロナ禍以前の水準に戻る中でCPIを押し上げた。変動の大きいエネルギーと食品を除いたコアベースのCPI上昇率は6.2%と、3月の5.7%から拡大した。

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、エネルギーや食料などの価格高騰に拍車がかかっており、今後はさらにインフレ圧力が高まると予想される。英中央銀行イングランド銀行(BOE)は今月5日、政策金利を年0.75%から1.0%に引き上げると発表するとともに、2022年10~12月期に物価上昇率がピークを迎え、10%を超えるとの予測を示した。

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