エストニアのカラス首相は3日、同氏が率いる中道右派の改革党と中道左派の中央党による連立政権が崩壊したと明らかにした。教育改革をめぐる対立から、カラス氏はリーメッツ外相をはじめとする中央党の全閣僚を解任した。改革党は祖国党および社会民主党と新たな連立政権を組む方針とみられる。
公共放送ERRによると、カラス氏は中央党が極右政党の保守人民党(EKRE)と連携して教育改革法案の成立を阻止したことを受け、連立の解消を決めた。ロイター通信によると、カラス氏は首相以外の閣僚14人のうち、半数を占める中央党の閣僚7人の解任をカリス大統領に求め、了承された。
カラス氏は「欧州における安全保障の状況は、党や党派の利益よりエストニアの利益を優先することができない中央党と協力を継続する機会を与えてくれない」と述べ、他の党との連立を目指す考えを示した。
エストニアでは2021年1月、保守人民党と祖国党との連立政権を率いてきた中央党党首のラタス前首相が同党の汚職疑惑の責任をとって辞任。第1党の改革党と中央党による連立政権が発足し、改革党党首のカラス氏がエストニアで初の女性首相となった。