携帯端末サービス市場をアップル・グーグルが寡占化、英競争当局が調査へ

英国の競争・市場庁(CMA)は10日、携帯端末向けサービス市場で米アップルとグーグルによる寡占化が進んでいるとして、実態把握のための調査を計画していると発表した。携帯端末メーカーなどとの取引状況を細かく調査し、競争を阻害するような行為があれば両社に商慣行の変更を命じる可能性がある。7月22日までの期間、関係する各方面から調査の対象や範囲などについて意見募集を行う。

CMAはスマートフォンをはじめとする携帯端末に搭載される基本ソフト(OS)やウェブブラウザ(閲覧ソフト)、アプリストアなどの分野で、アップルとグーグルが実質的に市場を支配しているとみている。英国では2021年に携帯端末で実行されたウェブサイトの閲覧のうち、アップルまたはグーグルのブラウザによるものが97%を占めた。

CMAは声明で、両社が「一方的にゲームのルールを決定し、ライバルや新規参入者が競争に加わることを困難にしている」と指摘。アンドレア・コシェリ最高責任者はアップルとグーグルが「モバイルエコシステムで全てのカードを握って」おり、優れた製品やサービスを展開する競争相手を閉め出すことができる立場にあるため、公正な競争が妨げられていないか詳細に調査する必要があると強調した。

これに対し、アップルの広報担当は声明で「(CMAの見解)は当社の技術革新やプライバシー保護、ユーザー体験の向上への投資を過小評価している。こうした取り組みはすべて、 iPhoneやiPadが多くの消費者に愛され、小規模開発者が信頼できるプラットフォームで競争できる環境に貢献している」と反論。

グーグルは「当社のOSであるアンドロイドを搭載したスマートフォンは、他社のいかなるモバイルプラットフォームより多くの選択肢を消費者と企業に提供している。アプリストアのGoogle Playは開発者が英国だけで25万人の雇用を支えるグローバルビジネスを展開するのに貢献している」と強調した。

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