欧州経済ウオッチャー

破綻の英鉄鋼大手、中国企業が買収で基本合意

中国の複合企業・敬業集団は11日、経営破綻した英鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールの買収で基本合意したと発表した。

敬業集団は買収が正式に決まれば、10年間で12億ポンドを投じ、ブリティッシュ・スチールの製鉄所の増強や環境対策、省エネ化などを進める意向を表明した。

ブリティッシュ・スチールは、英投資会社グレイブル・キャピタルがインド鉄鋼大手タタ・スチールの欧州条鋼事業を買収して発足した国内2位の鉄鋼企業。

米テスラ、欧州初のEV工場を独ベルリンに開設

電気自動車(EV)大手の米テスラは12日、ドイツのベルリンに工場を開設すると発表した。

バッテリーやパワートレインも生産する。

マスクCEOは欧州での生産拠点開設を表明していたが、これまで建設地は明らかにしていなかった。

VW、EV・HV・デジタル化への投資を加速

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は15日、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)やデジタル化の技術に2020~24年の5年間で最大600億ユーロを投資すると発表した。

600億ユーロのうち330億ユーロをEVに投資。

EV2,600万台のうち2,000万台を、VWグループのEV専用プラットホームである「MEB」の採用車が占める。

ノバルティス、アスペンの日本事業を買収

スイス製薬大手ノバルティスは11日、南アフリカ同業アスペン・ファーマケアの日本事業を買収することで合意したと発表した。

買収額は最大4億ユーロ。

合意した条件に沿って、最大1億ユーロを追加で支払う。

アマゾン、ポーランド7番目の物流拠点を開設

ネット通販大手の米アマゾンはこのほど、ポーランド7番目となる物流センターを南西部のドルヌィ・シロンスク県オクミアニに開設した。同拠点は面積6万平方メートルで、出荷作業を迅速に行うためロボットなどの最新設備を導入している。

アウディのハンガリー工場、モーターとエンジン生産拡大へ

独高級車大手アウディが2020年にハンガリーのジュール工場でのエンジンと、モーターの生産数を年間225万基に引き上げる。電気自動車(EV)用駆動モーターの量産化が背景にある。ロイター通信が4日、シーヤールトー外務貿易相の

スロバキア政府、銀行税引き上げを閣議承認

スロバキア政府は6日、2020年末で廃止される銀行税を継続するとともに、税率を2倍に引き上げる法案を閣議承認した。財政健全化に向けた措置だが、中央銀行からは自国の金融安定性を脅かすとの批判の声が挙がっている。連立政権の3

セルビア中銀が追加利下げ、政策金利2.25%に

セルビア中央銀行(NBS)は7日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、史上最低の2.25%に設定した。利下げは今年に入って7月、8月に続き3回目。インフレ率が大きく縮小していることから、追加利下げで景気を下支えする。 中

英下院が解散、選挙戦が本格始動

英国の下院が6日に解散し、12月12日の総選挙に向けて5週間の選挙戦が本格的に開始された。EU離脱方針が最大の争点で、ジョンソン首相率いる与党・保守党は議席の過半数を取り戻し、政府がEUと合意した新たな協定案に沿って早期

スペイン総選挙で与党が過半数届かず、極右が第3党に躍進

スペインで10日に実施された総選挙で、サンチェス首相率いる与党・社会労働党(中道左派)は下院(定数350)で第1党となったが、議席を減らし、過半数に届かなかった。一方、極右の新興政党ボックスが躍進し、第3党に浮上した。

仏小売り大手2社が競争法違反か、欧州委が本格調査開始

欧州委員会は4日、仏小売り大手のカジノとアンテルマルシェにEU競争法に違反した疑いがあるとして、本格的な調査を開始したと発表した。両社の商品調達での提携が、本来の目的を逸脱し、競争を阻害した疑いで調査を進める。 カジノと

英中銀が政策金利据え置き、金融政策委員2人が利下げ主張

イングランド銀行(英中央銀行)は7日に開いた金融政策委員会で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。9人の金融政策委員のうち7人は金利据え置きを支持したが、労働市場に変化の兆しが見られるなどとして2人が0.25ポイ

仏が移民受け入れの管理厳格化、専門職に数値目標設定へ

フランス政府は6日、移民受け入れの管理を厳格化するための施策を発表した。欧州全体ではこのところ移民・難民の流入が減少しているものの、フランスでは増加傾向にあるため、専門職の受け入れ人数に数値目標を設けるなどして管理体制を

ユーロ圏小売業売上高、9月は3.1%増

EU統計局ユーロスタットが6日発表したユーロ圏の9月の小売業売上高(速報値・数量ベース)は前年同月比で3.1%増となり、伸び率は前月の2.7%から拡大した。食品・飲料・たばこが1.3%増、非食品が4.6%増だった。(表参

ユーロ圏生産者物価、2カ月連続下落

EU統計局ユーロスタットが5日発表したユーロ圏の9月の生産者物価(建設業を除く)は、前年同月比で1.2%の下落となった。マイナスとなるのは2カ月連続。下げ幅は前月の0.8%から膨らんだ。(表参照) 分野別の伸び率は中間財

アルセロールミタル、伊イルバ買収を撤回

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル(ルクセンブルク)は4日、伊鉄鋼大手イルバを買収する計画を撤回すると発表した。伊政府がイルバの粉じん問題への免責を取り消したためで、イルバ救済が宙に浮くことになる。 イルバは伊南部ターラ

IAGがスペインの航空会社買収、中南米路線拡充へ

英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空などの親会社である英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4日、スペインのエア・ヨーロッパを10億ユーロで買収することで合意したと発表

川崎重工、伊高級二輪ビモータと合弁会社設立

川崎重工業は6日、イタリアの高級自動二輪車メーカー、ビモータと合弁会社を設立したと発表した。ビモータの支援が目的で、合弁会社は同社ブランドの高級自動二輪車の製造・販売を手がける。 ビモータは1972年に販売を開始した企業

AMS、オスラムへの2度目のTOB開始

オーストリアのセンサー大手AMSは7日、独照明大手オスラムに対する2度目の株式公開買い付け(TOB)を開始した。12月5日まで実施する。 AMSの対オスラムTOBは10月上旬に失敗した。こうしたケースでは通常、1年間は同

サンタンデール銀、英フィンテック企業の経営権取得

スペイン金融最大手バンコ・サンタンデールは4日、英フィンテック企業イーブリーの株式50.1%を3億5,000万ポンド(約488億5,000万円)で取得したと発表した。人工知能(AI)などの技術を駆使して先進的な金融サービ

日本ガイシとBASF、次世代NAS電池研究で提携

日本ガイシは7日、化学大手の独BASFと次世代ナトリウム硫黄電池(NAS電池)を共同研究することで合意したと発表した。BASFとは日本ガイシ製の大容量電力貯蔵システム「NAS電池」の販売提携契約を6月に締結したばかり。今

VW、電池システム工場が操業開始

欧州自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は8日、ドイツ北部のブラウンシュヴァイク工場内に新設した電池システム生産ホールで量産を開始した。グループ企業が今後、市場投入する電気自動車(EV)に搭載する。 3億ユーロを投じ

独医薬品大手シュターダ、武田のロシア事業を部分買収

独医薬品大手のシュターダは5日、武田薬品からロシア・独立国家共同体(CIS)諸国の一部の医薬品事業を買収したと発表した。一般用医薬品と医療用医薬品の計20種類が対象となる。取引額はシュターダにとって過去最高の6億6,00

石油大手MOL、カスピ海油田の権益獲得

中欧石油大手のMOL(ハンガリー)は4日、米同業シェブロンからカスピ海のアゼルバイジャン沖アゼリ・チラグ・グナシュリ(ACG)鉱区と、バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインの権益を買収すると発表した。取引額は

ユーロ圏成長率、7~9月期も0.2%

EU統計局ユーロスタットが10月31日に発表した2019年7~9月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.2%増となり、前期から横ばいだった。米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題で減速が予想されていたが、同水

英が12月12日に総選挙実施、労働党が反対取り下げ

英下院は10月29日、総選挙を12月12日に実施する法案を賛成多数で可決した。EU離脱をめぐる混迷を打開するためジョンソン首相が提案した前倒しの総選挙を拒否してきた最大野党・労働党が賛成に回り、3年半ぶりの総選挙実施が決

新欧州委の発足、12月以降にずれ込み

EUの行政執行機関である欧州委員会(内閣に相当)の新体制発足が遅れている。11月1日付で発足する予定だったが、欧州議会での新欧州委員の承認手続きが難航。新体制への移行は12月以降にずれ込むことになった。 フォンデアライエ

ギリシャ、IMF融資の一部を繰り上げ返済

ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は10月28日、ギリシャが債務危機に際して国際通貨基金(IMF)から受けた融資の一部を繰り上げ返済することを承認したと発表した。これによってギリシャは利払いのコストを

米アドベントの英防衛企業買収、EUなどが承認

米投資会社アドベント・インターナショナルは10月29日、英国の防衛・航空企業コブハムを買収する計画がEUの欧州委員会と米国当局から承認されたと発表した。ただ、英政府が買収に難色を示しており、同国当局から承認を取り付けるこ

東欧3カ国、難民受け入れ拒否は履行義務違反=EU裁法務官

EU司法裁判所の法務官は10月31日、2015年の欧州難民危機を受けてEUが導入した難民の受け入れを加盟国で分担する暫定措置について、ポーランド、ハンガリー、チェコが受け入れを拒否したのはEU法上の義務不履行にあたるとの

FCAとPSAが経営統合で合意、販売台数で世界4位に

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAは10月31日、経営統合することで合意したと発表した。実現すれば販売台数で世界4位の自動車メーカーが誕生する。プラットフォームの共通化や

仏LVMH、ティファニーに買収提案

高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンは10月28日、宝飾品大手の米ティファニーに買収を提案したことを明らかにした。宝飾品事業の強化が狙いで、買収額は145億ドルに上る。 ティファニーは同日発表した声明

中国・復星集団、英トーマス・クックのブランド取得

中国の民営投資会社、復星集団は1日、経営破綻した英旅行大手トーマス・クック・グループのブランドを1,100万ポンド(約15億4,000万円)で取得すると発表した。トーマス・クックの筆頭株主だった復星は、仏リゾート施設運営

VW、自動運転の開発子会社を設立

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は10月28日、自動運転システム(SDS)の開発子会社を設立すると発表した。グループが持つ同分野の経営資源を統合して開発を加速。米自動車技術会(SAE)が定める「レベル4」の自動運

VW商用車子会社と日野、調達の合弁設立

独フォルクスワーゲン(VW)の商用車子会社トレイトン10月29日、日野自動車と調達業務の合弁会社を設立したと発表した。2018年に締結した戦略協業合意に基づくもの。グローバル調達でシナジー効果を最大限に引き出す狙いだ。

ボッシュ、量子コンピューターの新興企業に出資

自動車部品大手の独ボッシュは1日、量子コンピューターを開発・販売する米新興企業イオンQに資本参加したと発表した。イオンQの技術は量子情報の最小単位である量子ビットを増やしやすく将来性が高いことから、イオンQが実施した総額

再保険エルゴ、長城汽車と中国で合弁

独ミュンヘン再保険の元受子会社エルゴは10月28日、中国の自動車大手・長城汽車(GWM)と合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。現地勢が強い中国の自動車保険市場に食い込む狙いがある。現地当局の承認を経て来年第1

BASFの最先端素材、ミズノがシューズに採用

化学大手の独BASFは10月30日、同社が開発した最先端ポリウレタン素材「エラストパン」がミズノの新しいトレーニングシューズ、「TC-01」「TC-02」のミッドソールに採用されたと発表した。両シューズはアスリートのバラ

セルビア、ユーラシア経済連合とFTA締結

セルビアは10月25日、ユーラシア経済連合(EEU)と自由貿易協定(FTA)を締結した。2015年のEEU発足を受け、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンと個別に結んでいたFTAから切り替わる。新たにアルメニア、キルギスとの

ポーランド、ハイブリッド車購入税を引き下げ

ポーランドで11月からハイブリッド車(HV)購入時の物品税率が従来の半分に引き下げられた。新税率は排気量2,000㏄以下で1.55%、2,000~3,500ccで9.3%となる。 プラグインハイブリッド車(PHV)と電気

バルト3国縦断鉄道計画「レール・バルティカ」、建設開始

バルト3国を経由してポーランドのワルシャワとフィンランドのヘルシンキを結ぶ鉄道敷設プロジェクト「レール・バルティカ」の建設工事が、10月29日にエストニアの首都タリンで開始された。建設が始まったのは敷設予定の線路の上を横

スイス高機能樹脂大手グリト、ハンガリー工場を来年閉鎖

スイスの高機能樹脂大手グリトは10月29日、ハンガリーの自動車部品工場を来年半ばに閉鎖すると発表した。同社は昨年末に合成樹脂部品事業を切り離すことを決定したものの、売却先がみつからなかったことから同工場の閉鎖を決めた。

チェコ電力大手EPH、アイルランド同業買収

チェコ電力大手のEPHは10月28日、アイルランド同業タイナー・エナジーを買収したと発表した。GEエナジー・ファイナンシャルサービスとガマ・エナジーからそれぞれ株式40%を取得した。残り20%は現地投資会社のマウントサイ

シンジェンタのロシア工場着工、21年に稼働予定

中国化工集団(ケムチャイナ)傘下のスイス農薬大手シンジェンタはこのほど、ロシア南西部のリペツクで新工場を着工した。建設地となるリペツク経済特区(SEZ)によると、投資額は約16億ルーブル(2,260万ユーロ)。現在は地元

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