国外で不動産を購入するロシア人の評判は概して悪いが、このところスペインで増えているロシア人顧客グループはちょっと違っているようだ。
\ヨットで地中海を乗り回す富豪ではなく、企業家や弁護士といった中産層が、気候が温暖でロシアとの直行便が多いスペインに着目。ロンドンなどに比べて「お値打ち感」のある海岸沿いの住宅を求める傾向にあるという。
\これらの「家主」は購入時に借り入れた住宅ローンを支払うため、夏のバカンスシーズンには観光客に貸すなどの経済感覚を身に付けている。言ってみれば、ごく普通の人々が家を買うようになったということか。
\現地の不動産会社によると、ロシアからの観光客が増えていることが、ロシア人による不動産購入増加の背景にあるという。ロシアからの観光客数は今年、昨年の2倍の勢いで伸び、バレンシア州のコスタブランカでは、ほとんどのレストランでロシア語メニューを用意しているほど。旅行に訪れたスペインが気に入り、不動産を探してみる人が多くなっているということだ。
\コスタブランカでは、不動産を求める外国人のうち、英国人、ドイツ人に次いで、ロシア人が3番目に多くなっている。ロシア人の重視する点も他国人と変わりなく、「浜辺、テニスコート、レストランから徒歩圏内」にある不動産を探す傾向にある。
\ロシア人にとってスペインはこれまで休暇の場だった。しかし、最近では子どもを現地の学校に通わせ、英語とスペイン語を習わせる人も増えている。高級リゾート地のマルベーリャでは、国際学級の3割ほどがロシア人の生徒で占められているという。
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